専門医の医師の求人/募集/転職 > スペシャルインタビュー > 立山 悟志 氏 /さくら小児科・内科クリニック院長
お子さんのことを一番に考えられる
医師でありたい
立山 悟志 氏
さくら小児科・内科クリニック院長
小田急線 経堂駅から徒歩6分。『さくら小児科・内科クリニック』にて院長を務める立山悟志氏。『さくら・小児科クリニック』は2013年4月にリニューアルオープンしたばかりの新しいクリニックだ。
立山氏は聖マリアンナ医科大学小児科医局に14年間在籍し、その時にご縁のあった『さくら小児科・内科クリニック』理事長の中島夏樹医師に専任され、今年4月のクリニックのリニューアルを機に院長に就任した。本院である中島医院(川崎市中原区)同様、多くのお子様、保護者の方々から〝気軽にご相談頂ける〟〝優しい雰囲気〟のクリニックを目指すという。
医師ではなく教員を目指していた高校時代
「元々は医者ではなく学校の先生になろうと思っていたんです」という、立山氏。
高校時代、進路相談をした時のことだ。先生から「教職は薦めないぞ。大変だから辞めとけ」という言葉を聞いた。
「普通は自分と同じ道を目指したいというと嬉しいものだと思っていたのですが、全く逆の答えが返ってきたんです。自分にとって教員の先輩である、先生自身から薦めないという言葉を聞き、よほど辛いのかなと感じましたね。自分の意見を貫き通そうとも思ったのですが、両親にも相談したところ、先生自身が薦めないという職業につくのはどうなのかという話になり、一旦考え直すことに決めました」周りが賛成してくれない教員への道を目指すことは、高校時代の立山氏にとっては迷うところであった。
もう一度、両親に相談したところ「医者になってほしいと父に薦められました。父方の祖母が父に医者になってほしかったのですが、家の都合で医学部に進学させてあげられなかった。という話も同時に聞きました。その話を聞くと、父も祖母のことを思っているのをわかっているし、自分も父を思っている、そして、母も医学部にゆくことには賛成をしてくれた。ということもあり、いつまた親孝行できる機会が回ってくるかもわからないと思い、医学部に進学しました。しかし、診療科目は迷わず小児科医でしたね」
『さくら小児科・内科クリニック』のパンフレットには『小学校時代は楽しいこと、嬉しいこと、驚き発見、感動が、とてもたくさん詰まった宝箱のような時間を過ごしました。その大切な時代に寄り添える職業に兼ねてからつきたいと考えていました』という立山氏の一文が書かれている。
小児科医・産科医の現状
常に子どもに関わっており、子どもについて真摯に考える立山氏に小児科医・産科の現状についてお伺いしてみた。
「小児科医をうたう人は減ってはいないです。ただ、現場の戦力となる小児科医は減っています。特に結婚後の女性の比率は減っていますね。結婚をして子育てをして小児科医に戻れるかというと、なかなか戻れないのが現状です。母親が当直をして、土、日も働いて、夜も働くというのは、旦那さんが専業主婦でもない限り難しいです。戻りたいという方もいらっしゃいますが、戻り先はなかなか見つからないです。休みの日が欲しい。何時までには帰りたいなどと条件を出すと働き場所は狭まってゆきますね。母親となると守るべきものがあるので、総合病院などで働くとなるとなかなか厳しいです。やはり、当直も多く、手術などにも呼ばれますし、オンコールにも対応しなければいけない。ハードな仕事内容ですので……」と、日頃、母親と関わる小児科医としての意見をおっしゃって下さった。
しかし、小児科医の問題は母親となった医師だけではない。
「小児科医を目指す人が減ったわけではないです。学生さんからも『子どもが可愛いから小児科医やってみたいです』『産科おもしろいです』という声をよく聞きますね。しかし、ハードな仕事内容は、男性も女性も一緒です。始めは小児科医を目指していたけれど、診療科目を変える学生も多くいます。衣笠病院時代は自分を入れて
3人の医師が居ました。ベッドもあり1人が病床、2人が診療という形です。
ただ、逗子は病院が衣笠病院しかないので外来も1日100人以上来ていまし
たね。医師3人の中で地区センターに健診に行くなどもあり、そうすると2人
しか残らないわけで大変ハードでした。オンコールも月の半分ほどありました
ね。あとは、新生児科医を受け入れる病院が少ないというのも問題です。
新生児医療が発達し、救える命が多くなるのは大変素晴らしいことなのですが、
その分、医師も時間を割かなければいけなくなってきます。国を考えると
子どもも増やさなければいけないです。
そういう風に考えると、新生児科医、産婦人科医にも優しい医療制度を作って
もらえたらと思いますね」ハードな仕事内容の一面も語って下さった。
小児科医を目指す人へのメッセージ
弊社代表・徳武と立山先生
小児科医の立場として小児科を目指す方へのメッセージお伺いした。
「子どもが苦手じゃないという人は多いと思います。泣き声なども苦にならないなど。それは長所だと思うので、そういう方にはお奨めしています。やはり、子どもが嫌いだと辛い仕事になってしまうので。将来職業として考えた時に子どもを救いたいと思えるのならやってみてもいいのではないかと、若い人や学生には話します。あとは子ども目線に立てる人は向いていると思います。大人の方がいい、大人の方が楽しいと言う人より、子ども時代は楽しかったと思えるということが小児科医にとって大事だと思います。その他、子どもにどういう症状なの? と会話をしていても、両親が答えてくるという場合があります。しかし、お母さんが元気なんです。大丈夫ですと言って、そこで、じゃあ大丈夫ですねと言うとプロ意識は足りないと思います。もちろん両親の説明も大切なのですが、子どもと対話してその人を治す。両親はそのお手伝いだと思っています。それぐらい子どものことを考えられる人ならば、目指してみても良いと思います」
子どものことを真剣に考える、立山氏の意見は小児科医を目指す人々の参考になるのではないだろうか。
(取材・文 舟崎 泉美)
立山 悟志 氏 (さくら小児科・内科クリニック院長)
プロフィール
1983年 | 暁星高等学校卒業 |
1999年 | 聖マリアンナ医科大学卒業 同病院 小児科入局 |
その後 | 聖マリアンナ医科大学病院のほか 横浜市西部病院 一般病棟・周産期センター 衣笠病院 |
2007年 | 川崎市立多摩病院 小児科 |
2013年 | さくら小児科・内科クリニック 院長就任 |
所属学会
日本小児科学会 専門医
日本外来小児科学会
日本ワクチン学会
日本小児感染症学会
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